11月16日(木)に第3弾「臨床推論(実践編)」の研修を開催しました。
・第1弾:フィジカルアセスメントアドバンス研修
⇒日頃のアセスメントを言語化する方法を学びます。
・第2弾:臨床推論 体験編
⇒医師は臨床推論を使ってどのように医学診断をしているのかを学びます。
・第3弾:臨床推論 実践編
⇒実際に臨床推論をどのように活用するのかを学びます。
第1弾~第3弾の研修依頼を受けて設計したのが2019年でした。第1弾、第2弾を受講した看護師さんが対象のため2020年より開催予定でしたが、コロナ禍で毎年中止となっていました。そして今年度ようやく開催することができました。第2弾の体験編を受講してから3年ぶりという看護師さんから、コロナ禍にオンラインで受講した看護師さんが受講しました。
まずは復習から開始しました。元々直観的判断を主として使用している看護師さんが多く、体験編の研修直後は仮説演繹法を意識して活用していたようですが、時がたつにつれて直観的判断を使用することが多くなってきてしまっていたようです。症例を見た瞬間から「おそらく診断は●●だろう。」と想定してしまっていたため、今回は直観的判断ではなく仮説演繹法を使用するという思考に切り替えることから始まりました。
復習が済んだら、いよいよ実践です。今回は担当した入院5日目の患者さんが、訪室すると「胃がむかむかする。」と訴えていたという症例です。入院時~5日目までのカルテ情報、検査情報などを使用して情報収集をするところから臨床推論を開始しました。2人1組のチームになり、お互いに協力し合いながら進めていきました。今回は臨床推論をすることを主としたため、机上シミュレーションにしました。
STEP1情報収集、STEP2仮説の設定、STEP3仮説の検証、STEP4計画と実行と順に進めていき、可能性の高い疾患と絶対に見逃してはいけない疾患を導き出したところで、各チームにそれぞれの意見を発表してもらい、ディスカッションを行いました。同じ意見だけではなく、異なる意見もあり有意義なディスカッションになりました。今回の最終診断は「心筋梗塞」だったのですが、可能性が高い疾患として考えており最終診断にたどりついたチームや、可能性が高い疾患としては考えていなかったけれど、絶対に見逃してはいけない疾患として考えていたところから最終診断にたどり着いたチームなど、思考過程は様々でしたが、すべてのチームが最終診断「心筋梗塞」を導きだしました。
参加した看護師さんは主にクリニカルラダーⅣ~Ⅴでしたので、今回の学びを自分自身のキャリアに活かしたり、それぞれの所属部署へ還元してくれることを期待しています。
ワークシートを用いた形式にしたため、「復習がしやすい。」という意見をいただきました。また、「1日研修と聞いて眠くならないか心配だったけど、そんな暇はなかった。」「楽しかった。」と言っていただきました。私自身も今回の研修を振り返り、来年度の開催に向けてよりよくアップデートしていきたいと思います。