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活動報告 2023/08/08

診療看護師(NP)による臨床推論研修開催!!

東京ベイ・浦安市川医療センターでは看護師さんを対象に、診療看護師(NP)による下記の3つの研修を開催しています。

・第1弾:フィジカルアセスメントアドバンス研修
     ⇒日頃のアセスメントを言語化する方法を学びます。
・第2弾:臨床推論 体験編
     ⇒医師は臨床推論を使ってどのように医学診断をしているのかを学びます。
・第3弾:臨床推論 実践編
     ⇒実際に臨床推論をどのように活用するのかを学びます。



「臨床推論」と聞くと、医師が医学診断をするためのものという印象があるかもしれません。しかし、私たち看護師も日頃から「臨床推論」を実践しています。患者さんの症状や徴候から緊急性に気づき、患者さんの今の苦痛を減らすための対症療法に結びつけるための思考過程、すなわち「患者さんをアセスメントするための思考過程」も臨床推論ととらえることができます。「臨床推論」は突然新しく出てきた考え方ではなく、私たちがこれまで行ってきた「アセスメント」が言語化されたものです。そこで、インストラクショナルデザインを用いて、「臨床推論」について段階的に学ぶことができるように上記第1弾から第3弾までの研修を設計しました。


8月2日(水)に第1弾として「フィジカルアセスメントアドバンス研修」を開催しました。主な対象は、クリニカルラダーⅡ以上の看護師さんです。
この研修は、動画の症例をみて、患者の緊急度について、担当医師への報告か、RRS起動か、緊急コール起動かをトリアージして、SBARで報告する画像シミュレーションを中心とした研修です。コロナ禍においてはオンラインで実施していましたが、今年度は感染対策したうえで対面での研修を再開しました。


まずはアイスブレイクを兼ねて自己紹介!!グループ内での自己紹介が終了した後、他のグループへ自分たちのグループメンバーの特徴などを紹介してもらいました。アイスブレイクも学習の一環です。限られた時間内で意見をまとめ発表をする練習になっています。
アイスブレイクが終わったら、いよいよ研修の本題に入ります。3つの症例の報告を聞いて、それぞれ緊急度を判断します。実は3つとも同じ症例です。しかし緊急度の判断はそれぞれ異なっていました。同じ症例でも報告の仕方で、緊急度の印象が変わることを体験してもらいました。
実際に報告をする練習です。症例の画像を見ながらアセスメント行います。グループで他の人の意見を聞きながらアセスメントをして、他のグループにSBARで報告をします。自分たちの報告は、相手に思うように伝わったでしょうか?報告を受けた相手グループから意見を聞いて、どのようにすればよりよい報告ができるかを振り返ります。同様のグループワークを症例を変えて繰り返し行います。



最後のグループワークでは、本日の学びを各部署で役立てるために自分自身は明日から何ができるかについてアクションプランを考えます。
1日中グループワークをメインに研修を実施したので、研修が終わる頃にはグループメンバーとの仲も深まっていました。このご縁を、今後の部署間連携にも役立てていただきたいと思います。
研修修了後には「楽しかった。」「症例をこなすごとにできるようになっていく実感を持つことができた。」「後輩の指導にも役立てたい。」「自分自身の報告の仕方を振り返る良いきっかけとなった。」などの声が聞かれました。


【参考図書】
『緊急度を見抜く! バイタルサインからの臨床推論』
https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/107127
『急変させない患者観察テクニック』
https://www.yodosha.co.jp/yodobook/book/9784758109710/
【画像シミュレーション用の症例動画】
『NPO法人地域医療の質向上協議会』
https://www.youtube.com/@npo9761/videos