
NP研修生の小山です。東京ベイ・浦安市川医療センターで総合内科、腎臓内科、救急外来での研修を修了後、現在は岐阜県での地域研修を終えるところです。
研修を経験する中で改めて考えるようになったのは、「NPとはどういう存在であるのか」、ということです。昨今では大学病院でもNPの採用を開始しているところが多いかと思います。私自身もICUでの勤務経験が長く、医師のタスク・シフトの視点で、特定行為を駆使して従事していくのだろうと考えておりました。しかし、その前にプライマリケアを経験したいと、JADECOMアカデミーの門を叩いたことで考えは一変しました。そのターニングポイントとなったのは、岐阜県揖斐郡にある老人保健施設での研修でした。私の研修時は積雪が非常に厳しい時期でありました。こちらの施設は先輩NPのブログでもその様子が語られておりますのでご参照ください。
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地域研修開始時の私は、心不全の方がいれば、エコー片手に片っ端から病態のアセスメントに躍起になっていました。「こんなに重症だ、すぐに病院に搬送した方が良いに決まっている」と、目を血走らせて完全にパターナリズムに支配されていたと思います。そんな私と裏腹に指導医の先生やコメディカルの方々は、利用者様やご家族がどう思っているかを非常に大切にされておりました。ある利用者様がお亡くなりになった際に、ご家族が「ここの職員はみんな下の名前で呼んでくれる。
病院ではそんなことはしないし、それが非常に温かく感じた。そのおかげで父ちゃんらしく天国に昇れたと思う。ここで死ねて幸せだった。」とお話されました。
その利用者様に自分がNPとして何ができたのか、と自信を持って言うことはできません。しかし、その経験を機に、その人がその人らしく最期までいきる支援をNPとしてやりたい、と考えるようになりました。それは医療者として当然あるべき姿で、NPにしかできないことではないですし、じゃあ具体的にはどのようにしてやるの?と言われれば、恥ずかしながら明確な答えは言えません。
しかし、この地域研修でPCCM(Patient- centered clinical method~患者中心の医療の方法)の視点で、「NPとして自分は何ができるか」と、初心に帰ることができたことは、医学的視点に凝り固まっていた私にとって、非常にありがたい経験でした。このような学びが地域医療ならではないかと思います。揖斐の方々には感謝しかありません。
これから地域医療に従事したい、そうじゃないけどプライマリケアを経験したい、まだNPとして目標がないなど、みなさん様々だと思いますが、一度JADECOMアカデミーに入職してみるのはどうでしょうか?私はそれでNP人生を変えることができたと思います。当然、楽しいことばかりではないですが、それもNP人生の醍醐味です。一皮むけて必ず強くなれます。JADECOM-NPはみな仲間です。ぜひ一緒に頑張りましょう。